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各プレーヤーに発言権を与えよう

2019.02.13 00:00

WEB限定コラム

文:マイケル・オースティン
Michael Austin


チーム内の人間関係の構築に重点を置いていないなら、今すぐに始めるべきだ。技術指導や体力強化に追われて時間が足りないと言われそうだが、プレーヤーの持つ、試合に関する知識は、彼らの勝利に役立つファクターとなるだろう。


ディヴ・トーソンは20年間、479勝123敗の成績で、ミネアポリスのデラサル高校男子チームを率いてきた。彼のチームは20年間で州のチャンピオンシップをいくつか勝利し、トリメトロ・カンファレンス・チャンピオンシップを18回制した。

「全員に自信を持たせ、チームの中で重要なパートを担っていると感じさせる」

シーズンで勝利をつかみたいなら、プレーヤー、アシスタントコーチだけでなく、チームに関わる全員が、チームへ深く関与しなければならない、と彼は言う。トーソンは、「リーダーとしての、コミュニケーションにおける3V」を掲げることで、プログラムへの関与を達成した。


1-ビジョン

ヘッドコーチとして、ビジョンを掲げよう。それらの一部は、コート上に重点を置くものにしよう。たとえば、マンツーマンでのプレーか、ゾーンでのプレーか、スピードの速いプレーか、スローなプレーか、などだ。それは、勝利のための共通のビジョンであるべきだ、

「仮に私がそのビジョンを作り上げたとしても、プレーヤーやアシスタントコーチがそのビジョンを信じてくれなければ、我々はおそらく、高得点を獲得することはできないだろう」


2-バリュー

その役割に関わらず、チーム全員が「自分には価値がある」と感じられることが必要だ。彼はチーム全員を全く同じように扱うほど、コーチとして浅はかではない。だが彼は、全員に、チームの一員でいることにより、誰もがプログラムに価値をもたらしているのだと感じてほしいと思っている。

「全員に自信を持たせ、プログラムの中で重要なパートを担っていると感じさせるんだ」とトーソンは言う。

「基本的なことだが、我々はそれを軽視することがある」


3-ボイス

チーム内で発言権を持たせることから生じる価値もある。これは、プレーヤーが、彼らが望む時に率直に話ができる、というだけではなく、他のコーチらの考えを聞くことにもつながる。初めて指導した高校生チームでは、私はプレーヤーに発言権を与えなかった。だがその後、ベターな方向へ変わっていった、とトーソンは言う。

「私は、コーチングの経験が増えていくにつれ、勝利することだけではなく、プログラム内の人間関係やチームワークも重視するようになっていった。チームワークやコミュニケーションが円滑であれば、自ずとスコアボードの得点は増えていく」

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