■講演者:Roy Lyster(McGill University Montreal, Canada)
ロイ・リスター教授(カナダ・マギル大学教育学部教授)
■監 修:鈴木 渉・板垣 信哉(宮城教育大学教育学部 英語教育講座)
〜講演者プロフィール〜
内容中心第二言語教授法やフィードバックなどの教育的介入の効果について研究しておりその第一人者。2004年から2008年まではカナダ応用言語学会会長を務める。主な著書は「Learning and Teaching Languages Through Research Content: A Counterbalanced Approach」(Benjamins, 2007年)。
■監修
鈴木 渉・板垣 信哉(宮城教育大学教育学部 英語教育講座)
小・中・高等学校を通してコミュニケーション活動の充実が求められている中、英語教師は、児童・生徒の間違いにどのように対処すべきでしょうか。
今回は英語科授業での児童・生徒の発話に対する「オーラル・フィードバック」に焦点を当てた講演です。
第二言語教授法の専門家であるRoy Lyster教授がCLT(Communicative Language Teaching)の概要から、訂正フィードバックの様々な種類とその実践例について紹介しています。世界的に活躍されているLyster教授の講演を通して、コミュニケーション中心の活動におけるフィードバックのあり方について考える機会となることでしょう。
「writingエラーフィードバック」をテーマにした前作、ロッド・エリス教授の「E95-S Correcting Errors in L2 Writing(第二言語ライティングにおける誤りの修正)」を合わせてご覧いただくことで、フィードバック理論全体の理解が深まります!
<リスター教授の紹介>
<講 演>
■Introduction はじめに
■CLTにおけるインターアクションの重要な役割
■足場がけ(Scaffolding)
■訂正フィードバック(Corrective Feedback : CF)
■様々な教室での授業1時間ごとのフィードバックの数
■訂正フィードバックの種類(Types of corrective feedback)
◎リフォーミュレーション(Reformulations)
(学習者の目標言語形式にそぐわないアウトプットを言い直す)
1.明示的訂正
2.リキャスト
◎プロンプト(Prompts)
(学習者に、正しい形式を与えずに、自己修正させる)
3.明確化要求
4.メタ言語的ヒント
5.誘導
6.誤りの繰り返し
■言語証拠の種類
・肯定証拠/否定証拠
■イマージョンにおける訂正フィードバックの割合
■なぜリキャストがこんなにも多いのか?
■目立たないリキャスト:形式よりも意味
英語学習者と母語話者(NS)のやり取りの例
■プロンプトの利点
・アウトプット仮説+スキル習得理論:
・指導例
■プロンプトの曖昧さ
■実験研究でのプロンプト vs リキャスト
■様々な訂正フィードバックは、様々な理由で、学習者に効果的
■CFのあとの学習者の修正(repair)は重要か?
■いつ使うのが一番いいのか?
■多様なCFを組み合わせる/多様性の必要性
■教師のCFへの意識を高める
■“フィードバックのパワー”
<質疑応答>
2015.5